“ENERGY Forged Block 20”ファクトリー編

2018年03月07日

 

先日デビュー致しました、New Aluminum Series “ENERGY Forged Block 20”

 

 

私は、あるプロジェクトのために12月初旬にファクトリーへ1泊2日で見学に行ってきました。

 

この時まで、アルミホイールの製造現場を見たことが無かった為、見学が決定したときから、かなりワクワクしていました。

 

“ENERGY Forged Block 20”は、“削り出し鍛造ホイール”

 

“鍛造”という言葉は皆様もご存知かと思いますが、“削り出し”とは、削り節で取った出汁ではありません...

 

工作機械(コンピューター制御のマシニングセンターという機械)を駆使し、

 

大きなアルミニウムの塊りを彫刻のように削り、1つの製品を造り上げる手法です。

 

 

これにより仕上がりは本当に美しく、鋳造では決して表現できない、まさに彫刻品(芸術品)そのもので、

 

削り上がりを見たときは、感動的でした。

 

 

材料は、この時点では約50kg程ある、ただカッチカチの金属の塊といった印象。

 

 

まず、この塊をマシンにセットし、ディスクの裏側から加工を始めます。

 

“Forged Block 20”は造形が複雑で、この形の2ピースはファクトリーでも初めてだそうで、

 

プログラマーがかなり手こずったとのこと。

 

 

ここで重量は約40kg程に...この裏側の切削に、約2時間要するとのこと。

 

その後、表面の切削(面の深さを掘る作業)。の後、ボルト穴明けをし表面切削(デザインカット)へ。

 

 

表面のデザイン切削には『荒削りその1』(全体に1mm程大きめに切削)で約4時間。

 

次に、『荒削りその2』で誤差0.1mmまで追加切削をし、その後精度を上げて仕上げ削りとなります。

 

ここのデザイン切削作業で約10時間。一枚のディスク切削の時間全体で20時間ほどかかります...

 

一般的なデザインで10時間ほど、早いものでデザインカットは30分で終わる物もあるそう。

 

なので2倍ほど手間がかかっていますね。(汗) 担当者さん『ホントに大変なんです〜』と言われてしまいました。

 

完了後は10kgもないような印象の軽さで、後日実際に計測してみると約9kg!!。

 

材料の大半を削り捨てるという特殊で非常に贅沢なデザイン。ファクトリーで製作しているディスクの中でも軽いほうだそうです。

 

 

美しいですね〜 ただ、これで完成ではありません!!

 

その後、切削バリ取り(手作業)、腐蝕防止処理を施し、ペイントとなりますが、

 

道のりは本当に永いですね...手間がかかっています。

 

ペイントについても、1本1本職人の手作業です。実際に現場に立ちあわせていただきましたが、

 

徐々に色が入っていくディスクは印象がまったく違うものとなります。

 

 

多数存在する色の中でもペイント担当者さんがお勧めするのは、“削り出し鍛造ホイール”で無ければ

 

表現の出来ない、クリア塗装 or カラークリアです。

 

 

切削跡が塗装の奥に見えるのがわかりますか?これが角度により様々な表情を作り出します。

 

さらに“ENERGY Forged Block 20”についてはセンターキャップも“削り出し”

 

専用設計で、個別にカラー指定も可能です。

 

 

今回、製造現場の皆さんとも色々とお話しをさせて頂きましたが今回製作の“ENERGY Forged Block 20”

 

『これはマジで、かっこいい』と言って頂きました。
 

この後、社内展示用のサンプルが数種類到着する予定となっております。
 

到着し次第、プロジェクトの開始です。その件につきましては追ってご報告を致しますので、楽しみにお待ちくださいね。

 

以上、New Aluminum Series “ENERGY Forged Block 20”デビュー、ファクトリー編でした。

 


手嶋

page top