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二級整備士・稲数の試乗インプレッション・・・BMW M8 グランクーペ編

2025年12月27日

 

 

二級整備士・輸入車オタクの稲数 侑哉です。

 

 

 

メカニックとしての視点」そして「車オタクとしての視点」から私が感じた様々な車の乗り味、

 

 

 

魅力等を忖度抜きで解説で紹介していくコーナーです。

 

 

少しマニアックな話も含めて皆様に車のことを知っていただければなと思います。

 

 

第13回目は…

 

 

 

BMW M8グランクーペ編!!!

 

 

 

 

・スペック

エンジン型式 S63B44B

最高出力 625馬力(460kw)/6000rpm

最大トルク 76.5kg・m(750N・m)/1800rpm~5860rpm

種類 V型8気筒DOHCツインターボ

総排気量 4394cc

 

 

 

・BMWの最高峰

 

 

 

BMW M8とはナンバリングでは最高峰の車。

 

 

 

7シリーズが最も乗り心地の良いBMWとするならばM8は最速のBMW。

 

 

 

エブリンにおいては取締役 淳さんの愛車でもあります。

 

 

 

最速のMは、最速の名に恥じないスペックそして完成度を誇っています。

 

 

 

 

 

 

・新たな歴史の1ページ

 

 

 

まず私はこの車のレビューを書く際に困り果ててしまいました。

 

 

 

というのもあらゆる面で完成度が高いため、短く簡潔に纏めるところが非常に難しく、語りたいポイントは多数。

 

 

 

まずこの車のレビューの前にM8という車の解説から始めさせて頂きます。

 

 

 

8シリーズの始まりは1990年まで遡ります。

 

 

 

初代モデルであるE31型は「世界一美しいクーペ」と評された6シリーズの後継として、M1を彷彿とさせるリトラクタブルヘッドライト、Bピラーを持たないピラーレスデザインなど外観は勿論。

 

 

 

当時としては先進的であったマルチリンクサスペンションなど先進的かつハイテクなクルマとして、世間から驚きと称賛を持って迎え入れられました。

 

 

 

 

 

そして現行モデルと呼ばれる8シリーズは2代目となり、歴史としては20年ぶりの復活。

 

 

 

 

 

 

初代モデルと同様F型6シリーズの後継として開発されています。

 

 

 

開発の理念は先代と同じく先進的なデザインシステム

 

 

 

その中でもM8はM6の後続車で、Mの最高位に当たる為、贅沢に様々な最新システムが盛り込まれた車。

 

 

 

開発経緯も少し特殊です。

 

 

 

M8はレーシングカーが先に開発され、ル・マン24時間といった世界一レベルのレースに多数出場

 

 

 

(M8 GTE ′20)

 

 

 

レースという過酷な場面で培われた技術を市販車にブラッシュアップする方式で開発されており、細かな部分にその技術を垣間見ることができます。

 

 

 

クーペとグランクーペの2種類の設定があり、違いはざっくり言うとドアが2枚か4枚かというところ。

 

 

 

しかしそのボディの違いが走りの違いを大きく生みます。

 

 

 

 

 

 

 

 

・怖くない625馬力

 

 

 

エンジンは625馬力を発揮するV型8気筒エンジン、当時、BMW至上最強のユニットでした。

 

 

 

パワー感は語るまでもありませんが、特徴としてはその625馬力を無駄なく発揮できるという事。

 

 

 

 

 

同じユニットはF90型M5などに搭載されていますが、M8の625馬力は「踏める」625馬力です。

 

 

 

無駄にしない625馬力は足回りから来ており、殆どがピロボール化されたジョイントによりその馬力を受け止めます。

 

 

 

F90型M5は踏み込むと危機感を覚える程に怖いですが、M8GCでは約3000ミリ程のロングホイールベースということもあり、怖くない625馬力です。

 

 

 

(ピロボール・ジョイントとは簡単に説明するとレーシングカーと同じ構造)

 

 

 

 

 

・ボディの違いと走りの違い

 

 

 

M8の特徴はパワーは当然ですが、筆頭すべきはその「足回りの良さ

 

 

 

先程も話させて頂いた通り、レーシングカーの様な構造になっている足回りはコーナリングでもその性能を発揮。

 

 

 

安定性の高さは言わずもがなですが、コーナリングや車線変更による車体のブレの少なさ、少しのステアにも応答する反応の高さ。

 

 

 

反応は高くも暴れる、シビアに伝わってくるという形ではなく、スムーズにいなしていく捉え方など電子制御も魅力です。

 

 

 

今回、試運転させて頂いたタイミングは生憎の雨でしたが、路面の接地感は抜群に高く、むしろ雨の方がより優秀な電子制御を感じ取れました。

 

 

 

これはクーペでは感じなかった特徴でもあります。

 

 

(言うなれば賢い車)

 

 

 

 

 

・クーペかグランクーペか

 

 

 

グランクーペはクーペのボディを延長して4枚ドアにした車です。

 

 

 

ボディタイプの違いは、走りに大きく影響します。

 

 

 

しかし性能の劣化ではなく、乗り味の違いととらえられます。

 

 

 

 

 

 

クーペと比べるとロングになったホイールベースはピッチングを減らし安定性を向上。

 

 

 

荒れた路面や高架道路のつなぎ目など、車が縦に揺れるシーンは多数ありますが、M8GCはそこが非常に少ないです。

 

 

 

車が水平に走っていくイメージです。

 

 

 

踏み込むと前が上がりブレーキでは前が下がる。車である以上絶対的に起こる荷重変化ですが、グランクーペではそれを大きく感じません。

 

 

(ホイールベースの差は200ミリ!数字で言うとそこまでですが車としては大きな差です)

 

 

 

 

 

・Mは必要か?

 

 

 

この車において一つ重要なポイントがあります。

 

 

 

以前も語ろうか悩みましたが、「8シリーズで十分ではないか?」というところです。

 

 

 

 

 

ベースとなる840iは、以前レビューさせて頂きましたが、ベースモデルの時点で高い完成度を誇る車です。

(840iのレビューはこちら)

 

 

 

グレードによって内外装共に差を付けられている車は多数存在しますが、8シリーズにおいてはそれは無く、840iもM8同等、高級感ある仕上がりになっています。

 

 

 

馬力の差はかなり大きいですが840iでもM850でもM8でも日本の公道では性能を発揮できないでしょう。

 

 

 

走りの面においてもパワーや挙動の違いこそありますが、どちらも「楽しめる車」という所は同一です。

 

 

 

では金額的な差をどこで発揮できるかというとやはり「スペック

 

 

 

M」の名前を冠するだけあってその乗り味は一線を画します。

 

 

 

 

安心して踏める625馬力」「それを可能とする高度な足回り」この2つの組み合わせがM8GC最大の魅力でしょう。

 

 

 

840iやM850iでは物足りないという方、最高峰のBMWを体験したいという方には刺さる1台。

 

 

 

BMWは「スーパーカーを作らない」と言っていますが、この車を作っておいてそれは嘘でしょう。

 

 

 

 

 

以上

 

 

 

二級整備士・稲数の試乗インプレッション・・・BMW M8GC編でした。

 

 

 

前回

BMW M5(F10)

 

 

 

 

 

 

(今回のインプレッション、雨と言う天気がさらに車の魅力を引き立ててくれました)

 

 

 

 

 

 

 

 

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