代車にて328iEVO30.1デモカーを貸し出しさせて頂いていた某メーカー開発部にお勤めのエナジーユーザー様より“第三者目線”でのインプレッション(ドライビング編)を頂戴致しましたので、一部抜粋して皆様にご紹介させて頂きます。 by 雄 ※以下、原文 【EVO30.1(F30) 328i試乗インプレッション】 前回の投稿でエブリンさんの新作であるEVO30.1の良さをお伝えしましたが、今回はクルマそのものについて率直な感想を書き連ねます。 あくまでも主観なので賛否あると思いますが、興味ある方は読んでみてください。 試乗車のスペックは以下の通り。 ・パワートレイン:2.0L直列4気筒ターボエンジン+8AT ・サスペンション:ビルシュタインB14 (減衰力固定) ・パワーアップ:レースチップ (300ps/420Nm) ・その他:ペダルボックス (アクセルレスポンス向上) このスペックで、街乗り・高速道路・ワインディングを計800km走りました。 では、Let’s driving impression! 【街乗り編】 〜分厚いトルクと積極的なシフトアップが低燃費を演出〜 まず、発進時から立ち上がるトルクに驚かされます。これまで直4ターボエンジンといえばメーカー限らず低速トルクが薄く、扱いづらい印象でした。それが何ということでしょう。軽くアクセルを踏み込んだだけで、アイドリングからほど近い1200rpmくらいからトルクの山が始まります。ターボラグもなくフィーリングはディーゼルエンジンのよう。もうあれです、この発進だけで最初のニタニタが始まります。 そして発進から60kmに至るまで、1500rpm付近でどんどんシフトアップしていきます。これは前述したようにトルクが厚くないと出来ない芸当。更に8速ATとの組合せにより、最低限のエンジン回転で走行出来るので、紳士的かつ低燃費な走りを楽しめます。 気になった点はアイドリングストップ。エンジン停止中はエアコンが効かなくなるので、だいたい1分くらいしたら勝手にエンジンが掛かります。その始動時のブルッというショックが気になってしまい、渋滞シーンではちょっとイライラ。コーディングでキャンセル出来たら最高なので、手嶋さんのコーディングテクで何とかしてもらえることに期待します♪ 遮音性はE90より向上しているものの、E60ほどではない感じなので、先代からの乗り換えた場合でもネガティブな印象は出ないと思います。 渋滞する一般道で8.5km/ℓくらい。国産ミニバンでも同等の実燃費なのでまずまず。 【高速道路】 〜レースチップ+ペダルボックスの本領発揮!背中を蹴飛ばされ続ける感覚〜 レースチップのおかげで最大トルクは420Nm(←340Nm)まで向上しているので、料金所ゲートからの加速⇒本線合流⇒追い抜きのシーンも楽チンです。 ここでも8速ATが大活躍で、トルクの美味しいところを使い続けてくれるのでシームレスな加速感が続きます。しかもずーっと背中を蹴飛ばされている感覚。ターボラグも一切なし!くぅーっ!!こいつホント最高だ!! そして何より、直4エンジンとは思えない気持ち良い排気音が更なるドライバーズハイへと導いてくれます。言葉にすると難しいんですが、『グァァァァァ!!』というガサツなイメージの直4エンジンが、『ブゥアァァァァン!!』というヤル気にさせる音を奏でるんです(わからないか…汗)。爆音というわけではなく、軽やかなサウンド。ボルトの全力疾走というよりも、イチローのしなやかな走塁のよう(さらにわからないか…)。・・・とにかく、直4の欠点でもある振動や安っぽい音質も消されており、完全に直4エンジンの既成概念を壊してくれました。 しかし、ここでも気になる点がひとつ。フロントタイヤの接地感。おそらく、質量が重い直6エンジンベストで“F30”を仕上げているせいか、120km/hからの高速域に入ると接地感が減り、ハンドルが取られる感覚になります。アフターで出来ることとしてはフロントのキャスター角をつけるか、出来なければトーを少しイン気味にして安定感を出すくらいでしょうか。何よりの特効薬は、EVO30.2としてダウンフォースの効いたエアロバンパーをエブリンさんが開発することで即時解消します♪ とはいえ、どこかに許せる範囲の問題点がチラホラあって、そこをなんとかしなきゃ!と思わせてくれるクルマはイジる楽しみがあるので、むしろ可愛げがあって良いんじゃないかと思います。 そんな楽しい高速クルージングなので、帰省や家族旅行が楽しくなります!!結果、家族サービスが増えてみんながハッピーに!! 高速道路渋滞なし100〜120km巡航で13.0〜15.0km/ℓくらい。このハイパフォーマンスなスペックを考えたら素晴らしい数字です。 【ワインディング】 〜ビルシュタイン効果?わざわざ峠道を走りたくなる気持ち良さ〜 高速道路以上に真価を感じたのがワインディング。ビルシュタインB14との相性も良く、峠道では不快なロール感もなく、ストラット式サスペンションとは思えない感じでスパスパ〜♪と曲がっていきます。中でもこのシーンにおけるステアリングのチューニングは絶妙で、不必要な微振動を殆ど吸収してくれるし、無駄な修正舵も不快な抵抗感もなく操舵できます。 また、路面の悪い道でも適度な硬さの足回りと、高剛性な車体が吸収してくれるので、意外と乗員が感じる衝撃も少なめ。もともと、サイドウォールの硬いランフラットタイヤを前提に車両開発されているので、20inchホイール×超低扁平タイヤを履いたこの仕様でも問題なしなのでしょう。更に快適でスムーズな走りを求める場合は18〜19inchに落としてタイヤの厚みを確保させた方がバランス良いですが、ガッツリ攻めるようなクルマでもないので見た目重視の20inchをオススメします。 なお、操作系(ステアリング・アクセル・ブレーキ)は全体的に軽く出来ているので、ズッシリした重みが好きだぜ!な方は対局にある日産スカイラインを。とにかく安定感とゆったりさが好きだぜ!な方はベンツCクラスが良いんだろな〜。と思いました。 燃費は上り・下り合わせて10km/ℓ前後。ここでもまさかの低燃費! 【総評】 〜安全にワクワクを楽しめる力の抜けた優等生〜 あーだこーだ書き連ねましたが、こいつといればどの領域でも楽しませてくれる優等生です。プリウスのような世の中の平均点を狙った万人受けの優等生ではなく、走りの本質を追求したエンジニアたちの一体感が感じられる珠玉の一台。しかも、眉間にシワを寄せてオラオラ〜!と走る感じでもなく、力を抜いても充分期待に応えられる、そんなホンモノな要素をまとった優等生でした。 意外と性格的に近いと思ったのが日産GT-R。あれも見た目以上に快適で運転しやすく、そのままセダン作ればいいのに!と思えるくらい素晴らしいクルマなのですが、それに近い印象を受けました。 と、いうことは…これの系譜を辿るM3やM4は一体どんな世界を見せてくれるのだろう・・・。そんな新たな好奇心を抱きつつ、インプレッションを終わりたいと思います。 最後に… このような貴重な試乗機会を与えて下さったガレージエブリンの皆さま、今回も最高のホスピタリティをありがとうございました! |