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10月30日、今村重幸の独り言

2019年10月30日

HPをご覧の皆様、こんばんは。

 

今日は昨日とうって変わって気持ちいいお天気に恵まれましたが、皆様いかがお過ごしだったでしょうか?

 

これから益々朝晩は冷え込んできますので、風邪など引かないよう体調管理にはお気をつけくださいね。

 

 

今回の独り言は、先日修理で入庫したF10/523iのお話です。

 

症状はエンジン異音・冷却水不足の警告点灯・エンジンオイル漏れです。

 

まずエンジンをかけると「ガラガラガラ・・・」と、壊れているかのごとき大きな音!

 

冷却水をチェックしようとキャップを開けると、泥のようなものがタンク内にベットり付着していました。

 

「あかん、終わってるんちゃうん!」←心の声

 

この時点で冷却水不足によるオーバーヒートで、シリンダーヘッドガスケットがダメになり

 

冷却水とエンジンオイルが混ざっている・・・と、普通は考えますよね。

 

とりあえずエンジンオイルも抜いてみると「チョロチョロ」と、普通は4リットルほど抜けるところが

 

1リットルほどしか出てこない。(幸いオイルには水が混ざっていませんでした)

 

次にオイル漏れですが、オイルフィルターケースの周りにオイルが飛び散っている状態でした。

 

そして違和感! 「ん?フィルターケースが黒い? 樹脂製???」

 

これまでアルミ製のものしか見たことがなかったんですが、この車は樹脂製のものでした。

 

このフィルターケースにはヒートエクスチェンジャーという冷却系統のパーツが着いていて

 

エンジンオイルと冷却水がフィルターケースの中隣り合わせで通っており、劣化によりガスケットがダメになり

 

隣り合わせの通路が繋がったのではないか?と、推測できます。

 

とりあえずフィルターケース等をオーダーし、入荷後早速分解してみることに。

 

 

 

 

画像は外したフィルターケースなのですが、皆様解りますか?

 

赤丸の中心、ガスケットが入っている側面が割れてズレています。

 

そう!これが今回のトラブル全ての原因です。

 

因みに割れている側の大きな穴は冷却水が通り、下の穴はエンジンオイルが通ります。

 

「何でここ樹脂やねん!そらそうなるわ!」と思いつつ、交換作業を進めます。

 

同時交換部品のウォーターホースを外してみると、中には・・・!

 

 

 

 

ご覧のようにオイルがべっとり!

 

他のホースも同じようになっているはずなので、外して洗浄そして取り付け。

 

その後、特殊な液剤でラジエターフラッシングを数回するも・・・(汗)

 

 

 

 

5回目にしてコレです。(泣)

 

冷却系統のパーツ全て交換するか?と思いつつ、同じようなトラブルがないかネットで検索すると・・・。

 

何と、このオイルフィルターケース!リコールが出ているではありませんか!

 

以下、ネットより

 

 

 

 


【オイルフィルターモジュールにおいて、オイルフィルターハウジングの材質が不適切なため、
エンジンの温度の影響を受け、熱膨張をするものがある。そのため、熱膨張を繰り返すことで当該ハウジングが変形して、
シーリング部の密閉性が不足し、冷却水やオイルが漏れ、最悪の場合、走行中にエンジンが停止するおそれがある】

 

 

すぐさま親しくさせていただいている某ディーラーのフロントマンに連絡。

 

有り難いことにリコール作業として、この後の対策を引き受けていただけました。

 

恥ずべきことなのですが今回もっと早くにこの情報を知っていれば、こんなに苦労はしなかったはず。

 

しかし反省するのは勿論ですが、トラブルの原因が予測と合致した時の気持ちはメカニックなら解りますよね?

 

何事も経験です(汗)

 

HPをご覧の皆様、是非「BMWリコール」と検索してみてください。

 

車検証に記載している車台番号を入力するだけで対象かどうか簡単に分かります。

 

もしかしたら、あなたのお車もリコールの対象だったかも知れませんよ。

 

以上、今村重幸の独り言でした。

 

 

 


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