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二級整備士・稲数の試乗インプレッション・・・BMW G82 M4コンペティション(RWD)編

2025年11月05日

 

二級整備士・輸入車オタクの稲数 侑哉です。

 

 

メカニックとしての視点」そして「車オタクとしての視点」から私が感じた様々な車の乗り味、

 

 

 

魅力等を忖度抜きで解説で紹介していくコーナーです。

 

 

少しマニアックな話も含めて皆様に車のことを知っていただければなと思います。

 

 

レビューも今回で10回目となりました、記念すべき第10回目は・・・

 

 

BMW  G82 M4コンペティション(RWD)!

 

 

 

・スペック

エンジン型式 S58B30A

最高出力 510馬力(375kw)/6250rpm

最大トルク 66.3kg・m(650N・m)/2750~5500rpm

種類 直列6気筒DOHCツインターボ

総排気量 2992cc

 

 

 

・2代目となったM3の「後続車」

 

 

 

BMWはナンバリングとして、F 型から「3はセダン、4はクーペ」としてモデルが枝分かれしました。

 

 

 

私の愛車であるE92 M3クーペの後続車としてF82 M4が登場し、今回レビューするG82型はM4としては2代目。

 

 

 

光栄なことにM4は、F82型からM4 CS、GTS、そしてG82も4WD、RWDとほとんどのモデルを運転させて頂いた経験がありますが、今回はその中でもG82型のRWDモデルをセレクト。

 

 

 

M4CSのレビューはこちら

 

M4GTSのレビューはこちら
 

 

 

M3、M4の正統後続車として、様々な進化が感じられる1台です。

 

 

 

(コンペティションモデルは2021年に登場)

 

 

 

・先を見ている「エクステリア」

 

 

 

まず特徴としては、巨大化したキドニーグリル含む斬新なエクステリアの更新

 

 

 

 

 

 

インターネットで見る写真と現実で見る実車では受ける印象は全く異なるのは当然ですが、BMWのデザインの特徴として、「先を読んだデザイン」というものがあります。

 

 

 

例えば2001年に登場したクリス・バングルがデザインしたE65型7シリーズ。

 

テールレンズが繋がっているデザインは当時批判的な意見も多かったのですが、2025年の現在、テールレンズが繋がっているデザインの車は数多く存在しています。

 

 

 

 

G82も同じく、登場時は様々な意見が飛び交っていましたが、4年経過した現在、私は全く悪いとは思いません。

 

 

 

iPhoneのように新しく斬新なモノは登場時、批判を受けがちですが、「見慣れてきた時には一層カッコよく見える」というのがBMWのデザインの特徴かもしれません。

 

 

 

(リアデザインのカッコよさは言うまでも無いですね)

 

 

 

・賢くなった乗り味

 

 

 

先代モデルのF82 M4の乗り味は、言うなれば「氷の上をつま先立ちで歩いている」ような印象で、かなり繊細かつ危険な印象がありました。

 

 

 

G82からはどこかに飛んでいきそうな危険な乗り味ではなく「より強力なパワーをロスなく制御してくれる」印象です。

 

 

 

コンペティションモデルは510馬力。

 

先代モデルのGTSを凌ぐパワーを持っていますが、暴れるという事もありません。

 

(エンジンルームを開けた際、最初に驚くのはその補強の数)

 

 

 

エンジンに組み合わされるトランスミッションは先代モデル同様のDCT・・・ではなく何と所謂「普通のオートマ」であるトルクコンバーター式8段AT

 

 

 

DCTには素早い変速というメリットがありますが、逆に変速が速すぎて変速時に挙動が乱れやすいデメリットがあります。

 

 

 

トルクコンバータ式はDCTとは逆と思って頂ければ良いですが、もう一つの特徴として「昔ながらの技術」というところ。

 

 

 

つまりは、進化しているという事です。

 

 

 

煮詰まった技術になるので、変速は十分速く、ダイレクト感もあります。

 

 

 

また、副次的な事ではありますが、シンプルな構造なので壊れにくい(許容量が大きい)ということもあり、チューニングベースとしても良く出来ています。

 

 

ドライビングモードは好みに合わせて設定可能な範囲が広く、より制御が進化していると言えます。

 

 

 

・時代には逆らえないが・・・

 

 

 

G82は先代モデルと比較し大きく、重くなりました。

 

 

 

厳しくなっていく環境規制に安全規制で様々な安全装備が装着されたことにより車重は約1710キロと100キロ程増加

 

 

車体も大きくなりましたが、G82は重くなったことでトラクションをより稼ぎ、大きくなった車体はそのまま安定性の高さへと昇華。

 

 

 

4WDモデルはより顕著にその差を感じますが、RWDモデルも「順当に進化している」と感じられます。

 

(時代は変わっても走りへの追及は変わらない)

 

 

 

・何故「RWD」に拘るのか?

 

 

 

G82には4WDモデルも存在し、単純な速さで言うとそちらの方がより安定性が高くパワーはロスせず、速いと言えるでしょう。
 
 
 
 
しかしこれは私個人の好みもあるとは思いますが、やはり運転が楽しいと感じるのはRWDモデルでした。
 
 
 
 
動力はリア、操舵はフロント」とそれぞれ分かれているのがRWDの特徴ですが、分かれているからこそ「車に走らせてもらっている」のではなく「車を操っている」と感じます。
 
 

 

4WDモデルにも後輪駆動モードが存在しますが、結局前輪は物理的に繋がっていますし、それをするくらいなら最初からRWDモデルに乗った方が楽しめると思うくらいです。

 

 

 

車は速さが全てではない」と以前から何度も申し上げている様な気がしますが、逆に4WDモデル、RWDモデルと好みに合わせてセレクト出来るところもG82の特徴。

 

 

 

より幅広いニーズに応えられる車として「新たな力を手にして進化した4WDモデル」か「伝統的な正統後続車としてRWDモデル」を選ぶか

 

 

 

エブリンのスタッフ全員に聞いてもその答えは分かれるものです。

 

 

 

以上

 

 

 

二級整備士・稲数の試乗インプレッション・・・BMW  G82 M4(RWD)編でした。

 

 

 

 

前回

 

アルピナ B3GT

 

 

 

 

 


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