二級整備士・稲数の試乗インプレッション特別編・・・BMW XM編
2026年04月05日
二級整備士・輸入車オタクの稲数 侑哉です。
「メカニックとしての視点」そして「車オタクとしての視点」から私が感じた様々な車の乗り味、
魅力等を忖度抜きで解説で紹介していくコーナーです。
少しマニアックな話も含めて皆様に車のことを知っていただければなと思います。
今回のレビューはこの車!!!
BMW XM編!!!

・スペック
エンジン形式 S68B44A
最高出力 489PS(360kW)/6000rpm
最大トルク 66.3Kg・m(650N・m)/1600~5000rpm
種類 V型8気筒DOHCツインターボ+モーター
総排気量 4394cc
システム最高出力 653PS(480kw)
・M1以来の「M専用モデル」
今回レビューする車はBMW Mの中でもかなり特殊な位置に存在するMの最上位である「XM」
「M1以来のM専用モデル」という特別なモデルとして開発されたXMはすべての次元が違う1台です。

BMW Mが50周年を迎えるにあたって「これからのMは何を象徴にするべきか」を主眼に登場したXMは、性能だけではなく、ブランドのこれからの形を現した1台になります。
M1以来の「ブランドを象徴する車」であるなら、M1のようなスーパーカーを作る道もあったはずです。
しかし、半世紀を過ぎた時代では、「顧客が求めているものが変わった」という趣旨を、開発者は語っています。
「Mが作るべき象徴が、スーパーカーではなく高性能SUV」と変化した時代の答えでもあるXMは新時代の幕開けです。
今回はそんな「ブランドの象徴」の実力を確認していきましょう。

・威圧ではなく支配
まずは特徴的なデザインから語りましょう。

正直にいうと好みは分かれるかと思います。
巨大なボディ、主張の強いキドニーグリル

リアはSUVと思えないほど低く、全体的なプロポーションは正に「コンセプトカー」
確実に言えることは「圧倒的に記憶に残るデザイン」
E38型7シリーズや640iのような「静かな威厳」はあまりなく、そこにあるのはもっと露骨で、もっと現代的な
見た瞬間に強そうで、特別に見える車
がXMのデザインです。
「品の良いBMW」とは言い難いですが、この車は「感心を誘うわけではなく、圧倒するため」に存在しています。

・「革新と贅沢」
XMは内装も特徴的です。

質感の高さはもちろんですが、トリムのメタル、厚いレザー、アンビエイトライトの使い方など、「視覚的に豪華だとわかる」仕上がりです。
エクステリアが派手なので、内装の派手さにもいやらしさはなく、むしろ調和がとれている印象です。

ダイヤモンドをモチーフにしたヘッドライナーはXMの象徴です。
XMにはサンルーフの設定がありません。
理由は簡単です。
空を見るよりも特別感を感じるからです。
・電動化は武器である
搭載するパワーユニットは4.4リッターV型8気筒ツインターボにトランスミッション内蔵型のモーターを合わせたPHEV。
二つのシステムを合わせた最高出力は653馬力、700Nを発生させます。

この組み合わせだけを見ると「時代に配慮したハイブリット」に見えますが。
実際には「せっかくの電動化ならそれを武器としてしまおう」という発想です。
アクセルを踏んだ瞬間の加速、動きはガソリン車では不可能な挙動で、モーターで初動のトルクを稼いで、自然とV8のパワーに移行するイメージです。
細かい所を見ていくと、「スロットルの制御が荒い」「速すぎて、日常域ではぎこちない」と評価を受けることもあるそうですが、BMW M曰くこれはわざと演出しているとのこと。
完成度よりも「Mモデルとしての荒々しさ、危なさ」をあえて残した制御となっているのです。

実際の乗り味としては花火が打ちあがるような感じで
・重い車が意のままに
XMの特徴はパワーだけではありません。
車両重量は約2.7t超重量級。
そして驚くのがこの2.7tの巨体がBMWらしく意のままに操れるというところ。
ステアリングを切ったときの動きは素直で、ロールもなく、高速域では驚くほど安定性が高いです。
「後輪操舵」や「アクティブロールシステム」といった最新のデバイスが、この巨体を軽快に動かしています。

運転していて感じるのは、「クルマそのものが、車体を軽快に走らせている」という挙動です。
こんな重い車を、ここまで繊細に緻密に制御できるのか、と驚くばかりです。

・ベンチマークとなり得るのか?
XMという車はこれからのBMW Mのスタートラインとなる車です。
結論からいうとXMは「最初から良いと分かる車ではない」というのが答えです。
受け手側が、「どう受け止めるか」で評価は変わることと思います。
走らせてみると感じるのは、今のBMWが本気で作ったフラッグシップとしての回答です。
軽さは無く、素朴さもスマートな印象もありません。

しかし、そこにあるのはMとしての速さ、そしてその巨体を軽快に走らせる技術力、そして妥協のない高級感、威厳。

目まぐるしく変化していく自動車の歴史において、XMはこれからの時代にMが生き残るために、
今のBMWが答えた、1つの回答です。
そしてその答えは、「これまで存在しなかった、新しい時代の始まり」となる車なのです。
その答えが気になる方は、見るだけではわからない部分を含めて1度体感して頂きたい1台でもあります。

(皆様はどのように感じますか?)
以上
二級整備士・稲数の試乗インプレッション・・・BMW XM編でした。
※ Photo By Arima
前回
BMW 6シリーズ640iクーペ/グランクーペ














