二級整備士・稲数の試乗インプレッション特別編・・・BMW M6(E63)編

2026年08月26日

二級整備士・輸入車オタクの稲数 侑哉です。

 

 

 

メカニックとしての視点」そして「車オタクとしての視点」から私が感じた様々な車の乗り味、

 

 

 

魅力等を忖度抜きで解説で紹介していくコーナーです。

 

 

 

少しマニアックな話も含めて皆様に車のことを知っていただければなと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

今回も特別編第二弾!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第2弾は・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

BMW M6(E63)編!!!

 

 

 

 
 
 

・スペック

エンジン形式 S85B50A

最高出力507PS(373kW)/7750rpm

最大トルク 53.0Kg・m(520N・m)/6100rpm

種類 V型10気筒DOHC40バルブ

総排気量 4999cc

 

 

 

 

 

 

・お待たせしました!

 

 

 

皆様お待たせしました!

 

 

 

今回は以前の独り言にて予告していたE63 M6になります!

(前回の独り言 お上りさん旅を押すと…?)

 

 

 

さて、NAエンジンをBMWで味わうと言えば何が思い浮かびますでしょうか。

 

 

 

 

 

 

 

代表的なのはやはりE92 M3のV8エンジン

 

 

 

 

 

他にはZ4MクーペのS54エンジン

 

 

 

BMWには数多くの「名機」と呼ばれるエンジンが数多く存在します。

 

 

 

しかし今回はその中でも飛びぬけて異質な1台です。

 

 

 

 

 

 

前回がV12エンジンのアヴェンタドールであるなら今回はV10エンジンのM6。

 

 

 

BMWがダウンサイジングや環境配慮といったものには無縁だった時代の1台になります。

 

 

 

果たしてこのクルマは、20年が経過した現代においても特別な存在なのでしょうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・F1そのまま

 

 

 

まずE63 M6がどういうクルマなのか簡単に振り返ってみましょう。

 

 

 

 

 

 

 

E63 M6は、二代目6シリーズクーペ「E63」をベースに開発されたハイパフォーマンスモデルです。

 

 

 

M6という名前自体は、初代6シリーズ「E24」にも「M635CSi」として存在していました。

 

 

 

 

 

 

M635CSiには当時のBMW唯一のスーパーカーM1のエンジンが搭載されていました。

 

 

 

M6という車は、BMW最高峰のクーペにMのエンジンとシャシーを組み合わせるという成り立ちを持っています。

 

 

 

これはE63の次のモデルでもある「F06」でも同じです。

 

 

 

M8が登場する前まではM6が最上位クーペとして位置していました。

 

 

 

 

 

 

E63 M6が登場したのは2005年。

 

 

 

まず最初に気になる所は「なぜBMWが市販車用のV10エンジンを開発したのか?」というところ。

 

 

 

これは2000年代当時、BMWはF1に「BMWザウバー」としてエンジンを供給していた所が関係しています。

 

 

 

(当時のドライバーはニック・ハイドフェルドでしたね)

 

 

 

当時のF1はV10エンジンが主流、そしてBMW自身も「F1に参戦している」ことを強くアピールしていました。

 

 

 

ヨーロッパでは特にモータースポーツと市販車の関係性が深く、「F1で活躍すれば売れる」とも言える時代です。

 

 

 

勿論E63がF1のエンジンが載っているというわけではありませんが、10連独立スロットル、高い圧縮比、8000回転まで回るV10エンジンと、F1で培った技術が贅沢に使われているエンジンです。

 

 

 

そしてそんなエンジンをフラッグシップであるM6に搭載。

 

 

 

他社に「BMWは他とは違う」と意思表示するには、十分すぎるほどでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・主役はやはりV10

 

 

 

 

 

 

 

さて、そんなS85 V10エンジンを早速堪能してみましょう。

 

 

 

まず、前提として今回試乗するE63は「エナジーコンプリート」です。

 

 

 

 

 

 

エンジンをかける前のセルが回る音の時点で「これは他とは違うぞ」という予感がしました。

 

 

 

コールドスタートから激しいV10の存在感を感じましたが、意外とアイドリングしているだけなら狂暴にも感じません。

 

 

 

そんな中街中を低回転域で走っていれば意外と乗りやすく普通。特に私は似たようなE92 M3を乗っているのもあると思いますが案外パワーは感じずに楽に乗れました。

 

 

 

ただしこれは、エンジンを回す前の話です。

 

 

 

 

 

 

アクセルを踏み込むと一瞬にして4000回転以上に更けあがる超レスポンスのエンジン。

 

 

 

オマケにエナジーコンプリートのマフラーまで装着したE63 M6は一言で言えば「ゴジラ」です。

 

 

 

とんでもない爆音と共にエンジンは8000回転まで吹き上がります、あまりの強烈さに思わず笑いが止まりませんでした。

 

 

 

それほどの衝撃でした、回転数とともに加速していく感覚はNAエンジンの特徴ですがこの衝撃はS85エンジンでしか感じられないでしょう。

 

 

 

 

 

 

そんなV10の動力を伝えるのは、SMGIII。

 

 

 

 

このトランスミッションはシングルクラッチトランスミッションと呼ばれ、以前レビューしたアヴェンタドールと同じような構造。

 

 

 

つまりは、構造的にMTの車をATにしているというイメージです。

 

 

 

SMGIIIは正直、かなりクセが強く、街乗りではかなり不便に感じます。

 

 

 

別にアクセル踏んで加速すれば何でもいいんじゃないのか」と言われたらそうかもしれませんが、普通のATモード、自動変速に任せると露骨なまでの振動と「ガタッ」という感じのギクシャク感があり、お世辞にもスムーズに走るとは言えません。

 

 

 

ところが、アヴェンタドールと同じで高回転域で変速するとどうでしょうか。

 

 

 

ガンッ!と次のギアに入ります。

 

 

 

 

 

 

SMGIIIには実際にクラッチが繋がって変速、ギアが変わる感触が伝わります。

 

 

 

この感覚は、私のE92含め現代の車では感じることのできない大きな魅力です。

 

 

 

このクルマではMT車と同じ感覚で、自分で変速することが前提で自動変速なんて勿体ないでしょう。

 

 

 

 

 

 

・同じようで違う

 

 

 

 

 

 

 

ところで先ほどからアヴェンタドールを比較対象としてお話していますが、実は共通点も多い車です。

 

 

 

6.5リッターV12エンジンのアヴェンタドールに対して5.0リッターV10エンジンのE63。

 

 

 

どちらも大排気量、そしてそのパワーを伝えるトランスミッションはシングルクラッチ。

 

 

 

共通点こそ多いですが、体験は全く異なります。

 

 

 

 

 

 

アヴェンタドールは最初から最後までスーパーカーです。

 

 

 

乗り込むこと自体が非日常と前回お話ししましたね。

 

 

 

E63はむしろその逆。

 

 

 

普通に乗れるように開発されたGTカーです。

 

 

 

4人乗りで荷物も積める大型クーペとして普段使いも前提に設計された車。

 

 

 

 

 

 

それなのに

 

 

 

アクセルを踏み込んだ瞬間だけ爆発する爆弾のような車です。

 

 

 

そもそも論ですが、このようなスーパーカーではない車にV10エンジンを搭載している車

 

 

 

E60 M5

 

E63 M6

 

C6 RS6

 

 

 

くらいなもので、RS6はツインターボなのでこのフィーリングを体感できるのはM5、M6のみと言い切れるでしょう。

 

 

 

 

(安藤さんや都野田さんの愛車のさらに1世代前のモデルですね)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・それだけで理由に

 

 

 

V10エンジンの話しかしていませんが、最早それだけでこの車を保有しくなる理由になります。

 

 

 

 

 

 

 

例えば内外装の話をしても当時は豪華でも現代では古さを感じるのは事実です。

 

 

 

むしろ今E63に乗りたいという人はそんな話は二の次でしょう。

 

 

 

今時の高性能車は、エンジンだけでなくシャシー、4WD、トランスミッション、ハイブリッドといった「車全体」で速さを作るのが主流です。

 

 

 

しかしE63は極端で、ボンネットに鎮座するS85 V10エンジンが魅力になっていて、開発経緯も含めてV10を積みたいからこのクルマが生まれたような雰囲気です

 

 

 

エンジンが先に生まれて車が後に誕生するという経緯なので、エンジンだけでもこのクルマは保有したくなる理由が成立するでしょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・人間が合わせていく

 

 

 

E63はもう20年が経過した所謂「古い車」に該当します。

 

 

 

 

 

 

しかし、私だけかもしれませんが「これくらいの年式の車には何か代えがたい魅力」を感じてしまいます。

 

 

 

これまで乗った車の中でもアヴェンタドールだけではなく

 

 

 

 

 

 

愛車のE92 M3を始めとして

 

 

 

 

 

E86 Z4Mクーペ

 

 

 

 

 

 

ジャガー FタイプSVR

 

 

 

この辺りの車、年式で言うと2000年代後半〜2015年くらいの間でしょうか

 

 

 

本気で私が好きと言いますか、心の底から震え上がったといいますか、魅力的に感じる車たちです。

(言葉に表すのは難しいのですが)

 

 

 

これらの車にはある1つの共通点が存在しています。

 

 

 

 

 

 

丁度良さ」を持っている、というところです。

 

 

 

丁度いい」というのは、適度にアナログで、適度に現代的ということです。

 

 

 

 

 

E63 M6は決して完全なアナログカーというわけではなく、DSCがあり、電子制御ダンパーがあり、7速SMGを備えています。

 

 

 

当時としては、完全に最先端の車でした。

 

 

 

しかし、現代ほど、人間とクルマの距離が遠いわけではなくエンジンの振動や変速の衝撃は体を通して伝わって、ステアリングからはタイヤの位置や向きさえも伝わるほど情報量が多い。

 

 

 

 

一方で現代の車は本当に凄く、乗り心地が良くて速く、圧倒的に完成度が高い。

 

 

 

それは紛れもない事実で、初めてG90型M5に乗った時は「今時の車はここまで凄いのか」と衝撃を受けました。

 

 

 

 

 

 

圧倒的なパワーを持ちながら、それをロスなく地面に伝えて、高度に制御されたシャシーは重さを物ともせず軽快に走ります。

 

 

 

1台の車としての完成度はこれ以上は無いクルマです。先ほどの車たちでは完成度の高さでは手も足も出ません。

 

 

 

E63ではどうでしょうか。

 

 

 

 

 

 

乗ってすぐに良さがわかるG90と比較して、エンジンを上まで回し、SMGIIIのクセを理解し、クルマに対してドライバー

が理解を示さなければただ単にうるさくて乗り心地の悪い車に終わってしまいます。

 

 

 

だからこそ、私はこのクルマに惹かれてしまいます。

 

 

 

クルマの魅力を引き出せるかはドライバーのウデにかかっている

 

 

 

私みたいなオールドタイプで子供のような思考の人間にはそこに魅力を感じます。

 

 

 

勿論これは私の完全な好みだけの話で、むしろ現代的なクルマの方が好みな人が大半だとは思います。

 

 

 

しかし、古い車だからと言って悪く思わないで頂きたいです。

 

 

 

私がこのレビューで伝えたかったことはただ一つ

 

 

 

クルマは20年前と比べて大きく進化しました。しかし、進化することと面白くなることとは比例しない

 

 

 

この令和8年の時代に乗るからこそE63 M6は当時よりも魅力的に見えてしまうのかもしれません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

以上

 

 

 

二級整備士・稲数の試乗インプレッション特別編・・・BMW M6(E63)編でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

前回

 

ランボルギーニ アヴェンタドールS

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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